『月光ってかっこいい』ヘビメタ好きがベートーベンのピアノ曲を聴き始めるなら、これ一択。
月光を簡単に紹介します。
1楽章 → とにかく静か。美しく神秘的で有名な楽章。(ヘビメタ好きには物足りないかも)
2楽章 → まさに癒やし。谷間に咲く一輪の花。優しくて愛にあふれるきれいな楽章。(ヘビメタ好きには物足りないかも)
3楽章 → とにかくうるさい。感情むき出しのヘビメタ。
早速、月光の3楽章を聴いてください。
http://andotowa.sakura.ne.jp/Room/Beethoven-MoonlightSonata-3.mp3
この曲は速い。そしてかっこいい。
なんか興奮してこないですか。
そうなんです。聴いていて興奮する曲です。
まさに『ヘビメタ』です。
ヘビメタのバンドといえば、この人たち。
Dragon Force
DragonForce - The Game (Official Video)
なんか少し似てないですか?
一定の時間の中で、多くの音を聴かせて感情を吐露し、聴衆を魅了させる。
こういったところでは、ジャンルは違えど、同じ音楽です。
そしてこの曲は、これまでのクラシック界の伝統とはかけ離れています。
ベートーベンは革新的な人で伝統をただただ守るという事を嫌っていました。
------------------この作品でどんな変わったことをしたか-------------------------
ベートーベンはこの作品に「幻想曲風ソナタ」というタイトルをつけました。
この「幻想」とは、即興演奏・自由な発想という意味があり、そこにはそピアノ・ソナタの常識を覆そうとする、ベートーベンの強い意思があります。
まず第1楽章にはゆっくりと音を切らないよう演奏する事が指示されています。これは当時のソナタではありえないことでした。それ以前のピアノ・ソナタは、第1楽章は速いテンポで華やかに始まるというのが一般的であり、さらに第1楽章に「ソナタ形式」を使うことも、当時のピアノ・ソナタの常識でした。
しかしベートーベンは「ソナタ形式」を第1楽章ではなく、第3楽章に使っています。
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ベートーベンはこの作品を書いたときには、耳の異常を強く感じて、思い悩んでいました。(翌年には、悩みすぎて、遺書まで書いています。)
そんな感情のはけ口がこの月光から強く感じられます。
形式にとらわれずに、強い感情を音楽に載せて表現する。
そんなスタイルをベートーベンは伝えてくれています。
苦しみ
死
悩み
このような辛い感情のはけ口にしたベートーベンの楽曲『月光』は、
『芸術表現とはなにか。』を考えさせてくれる、一曲です。
なんだかすっきりしたい。
燃えたい。
ストレス発散したい。
そんなときにこの『月光』を是非聴いてみてください。
ということで、次にクラシックを聴くときにこんなことを悩む人がいると思います。
どの演奏者のどのアルバムを聴いたらいいのか。
それでは、次回は、トラエイタ的解釈で、どのアルバムがオススメなのか紹介させていただきます!