クラシックCD聴き比べ♫ オススメの『月光』を紹介!(結論:ポリーニはすごい)
ベートーベンの月光は好きだけど、どの音源がいいのかわからない。
そんな方のために、今回は、下記4名のピアニストの月光を聴き比べたいと思います。
(あくまでも、個人的な意見になるので、あしからず。)
【先に結果を記載します】
1、ヴィルヘルム・ケンプ(ベートーベン界の巨匠)総合評価50点(微妙)
2、ユンディ・リ(史上最年少ショパンコンクール優勝)総合評価30点(残念)
3、マウリツィオ・ポリーニ(キングオブザピアニスト)総合評価100点(芸術の極み)
4、
■1人目 ヴィルヘルム・ケンプ (録音時期:不明)
(ドイツ人・1895年〜1991年シュトゥットガルト音楽学校の校長・得意なのはドイツ古典派〜ロマン派作品・生涯で5回ベートーベンソナタ全集を録音している)
〈1楽章〉
音の粒がはっきりしている。非常に聴きやすいが、音がはっきりしすぎていて、
楽譜通りに演奏しているだけに感じる。
ケンプ先生すみません・・・。正直、つまらない・・・。
〈2楽章〉
当楽章特有の明るくて軽快な雰囲気を出そうとしているが、物足りない・・・。
途中から音が重く感じる。これもすごくつまらない・・。
ケンプ先生この録音時の体調がよくなかったのかな・・・。
〈3楽章〉
ペダルをあまり使わず演奏。音の粒はやっぱりはっきり聴こえるね。
でもやっぱり、この楽章の鬼気迫る感じが物足りない・・・。
なにも伝わってこない。ただ演奏しているだけ。
個人的には音楽をもっと表現してほしい。
【総評】
全体的にイマイチ。もちろん演奏はうまいけど、心は揺さぶられない。
総合得点 60点
■2人目 ユンディ・リ (録音:2012年)
(僅か18歳ながらにして、中国人初のショパンコンクール優勝者。(ショパンコンクール史上最年少)イケメンピアニストとしても有名。2020年1月現在37歳)
〈1楽章〉
音がとにかく冷たくて、硬い。耳が痛くなってしまう。
なぜここまで表現しないのか・・・。なにも意志が伝わってきません・・・涙
次の楽章に期待。
〈2楽章〉
重すぎる。音が途中で割れてるし・・・。
ベートーベンの楽曲の素晴らしさから、なんとか聴けるが、
この人には心がないのかなって思ってしまう。
恐らく、次の3楽章はおそらく、リさんなら得意でしょう。
〈3楽章〉
とにかく得意感がすごい。速い。こういう楽章がきっと好きなんですね。
めちゃくちゃうまい。でもそれだけ。
これを聴くと、音楽ではなくスポーツに感じます。
【総評】
うまい。でもそれだけ。
とにかく冷たい。表現しない。楽譜通り演奏するなら、天才。
音楽を聴かせて欲しいと思ってしまいました。涙
総合得点 30点(残念)
■3人目 マウリツィオ・ポリーニ (録音:2016年)
(イタリア人。誰もが認める現代最高のピアニストの一人。ユンディ・リと同じく18歳でショパン国際ピアノコンクールで優勝。8年ほど演奏活動から遠ざかるが、1968年の再デビュー。以後、ピアニストの頂点の座を保ち続ける。2020年1月現在77歳)
〈1楽章〉
とにかく美しい。
音を大事にする。
音に命を与える。
少ない音で、多くのメッセージを伝える。
まさに音を語る詩人。
〈2楽章〉
軽快にいかないのかい!と思わずツッコミをいれたくなるが、
とても優しくて穏やかな演奏。
まさに崖の谷間に咲く一輪の花。素敵すぎる。
〈3楽章〉
ペダルを結構使う。かなり響いているが、心地よい。
速いだけではなく、優しさ、不安、激情等のいろいろな感情を表現をしている。
70代の演奏だとは思えません。
まさに胸アツ。
【総評】
まるで、音楽を通じて映画を見ているかのよう。
とにかくみんなに聴いてほしい。
この演奏を否定できる人は世界のどこにもいないでしょう。
心を揺さぶる音楽を聴きたいならこの音源です。
まさに芸術作品。
総合得点 100点(素晴らしすぎます。感動しました。)
■4人目 辻井 伸行(録音:2018年)
(日本を代表する全盲のピアニスト。2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで。日本人として同コンクール初優勝者である。)
〈1楽章〉
柔らかい音が印象的。フレーズの歌い方はうまい。
しかし、表現や雰囲気作りをしないと、深みが物足りなく感じてしまう。
〈2楽章〉
美しい。味がある演奏。テンポの揺らし具合も、程よい。
フォルテ(大きい音)を演奏するときに、
音がはじけすぎて、うるさく聴こえてしまうのがもったいない。
〈3楽章〉
無難。うまいし、表現も多彩。
しかし、ポリーニを聴いたあとだと物足りない。
【総評】
無難にいい演奏です。
でもポリーニがすごすぎて、リピートリスニングはしないでしょう。
総合得点 70点(この演奏を聴く時間があれば、ポリーニをおすすめします。)
以上になります。
あくまでもトラエイタの主観なのであしからず。
音楽はどのような聴き方があってもいいと思います。
トラエイタは
芸術表現としての美しい音楽
メッセージ性のある音楽
個性のある音楽
こういったところを大事に聴いていきたいと思います。
今回は月光の聴き比べを紹介させていただきました。
ありがとうございます!